第一志望の大学が二次試験で小論文あるんですけど、共通テストの勉強していたので小論文を後回しにしちゃいました。

共通テストの結果、志望校を変えることになって、そしたら小論文が急に必要になっちゃいました。いまから間に合いますか?

受験生のみなさん、共通テストお疲れさまでした!!
前期試験の小論文対策、いまからでも十分間に合います!

国公立大学前期・後期の小論文を知ろう

7割が課題文型、2割が資料(グラフ)型

小論文というと、「環境問題について、あなたの意見を述べよ」のように1行で問題が出される「短文テーマ型」を思い浮かべる人も多いでしょう。

参考書の例題にも多いですし、小論文模試でも選択問題の1つ目は短文テーマ型のことが多いですよね。

しかし、国公立大学前期・後期試験の全出題を調べてみると・・・

長くて難しい文章が出される「課題文型」が72%、

グラフや図などが出される「資料型」が23%。

「○○について」という短文テーマ型は、なんと5%しかないんです。

ゲゲッ!「○○について」で好きなこと書けばいいと思っていたら、違うんですか?! 

小論文入試を「学力試験免除で楽チン」とかいう大人もいますが、あれはデマです。実際は課題文や資料を理解する能力が第一に求められる学力試験そのもの。

ただの「作文の練習」と考えてはいけません。

「課題文や資料を読み、問われたことに答える」

これが国公立二次の小論文です。

問1、問2の内容説明問題で勝負は半分決まる

課題文型、資料型の小論文では問1、問2、問3…と設問が分かれていることがほとんどです。

問1、問2では要約や下線部の説明などの内容説明問題。課題文と資料をちゃんと理解できたかどうかが試されます。

そして最後の設問が「これについて、あなたの考えを述べなさい」、いわゆる意見論述問題です。

問3の意見を書くのに時間かかりそうなので、おまけの問1と問2は残った時間で書いてもいいですか?

それ、絶対ダメなやつです!

問1と問2は最後の問3につながる「誘導」です。数学も問1と問2が問3のヒントになりますよね? あれと同じです。

課題文や資料には、受験生の解釈が2つに割れるような絶妙なものが選ばれます。問1と問2で「じゃない方の解釈」を書いてしまう受験生が約半分。

しかも、問1と問2で「じゃない方の解釈」を書いた人は、問3でも的外れな意見を展開してしまいます。

採点者は問1を見た瞬間に「はい、アウト!」と判断します。そうなると、問3までしっかり読んでくれるかは怪しい。。。

これからの勉強法

共通テストから前期試験まで約1か月半。正しい段取りで勉強を進めることが大事です。

過去問3年分に目を通す

赤本を買ってきて、いきなり2023年の問題から解き始めてはいけません。

まず過去問3年分にざっと目を通しましょう。課題文の内容や設問の形式など、出題傾向を知るのが目的です。

問1、問2の内容説明の練習が先

問1、問2あたりは要約や下線部説明の問題。ここで正解を書けば、それだけで上位50%に入れます。

最後の設問の「あなたの意見を述べなさい」は、まだ手を付けないでおきましょう。

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短文テーマ型の例題で意見を書く練習を

過去問で内容説明の練習をするのと並行して、意見論述はシンプルな例題から始めましょう。いきなり過去問の課題文で意見を書くと、出題意図を読み取るのが下手なのか単に文章が下手なのか区別できないからです。

実際の入試問題には5%しか出ませんが短文テーマ型で、2問くらい書いてみましょう。

「人口減少社会について、あなたの意見を述べなさい」

「不審者対策として、大人に会っても挨拶をしないように子どもたちに指導することの是非について、あなたの意見を述べなさい」

この2問をやれば、小論文の段落構成や客観的説明の文体、問題解決の合理的な考え方がちょっと見えてくるはずです。

過去問の内容説明と短文テーマ型の意見論述は同時並行で練習するといいですよ。

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いよいよ過去問の意見論述に挑戦!

短文テーマ型で小論文の基本がわかってきたら、いよいよ過去問の意見論述に挑戦しましょう。

ただし、設問の文言には注意しましょう。いろんな問い方のバリエーションがあり、それぞれ答え方が変わってきます。

問3 課題文で提起された問題について、具体例を挙げながらあなたの考えを述べなさい。

問3 文中の「○○」について、この現象がなぜ生じるのかを説明しつつ、あなたの考えを述べなさい。

問3 課題文における筆者の主張に対し、賛成か反対かを明らかにした上であなたの考えを述べなさい。

答案を書いたら先生に見てもらおう

答案は書きっぱなしではいけません。赤本の解答・解説を見て自分で採点するのも、難しいでしょう。自分の文章のどこが悪いのか、なかなかわからないものです。

答案を書いたら、塾や学校の先生に見てもらいましょう。

ただし、小論文の得意な先生を選ぶことが大事です。国語の先生だからといって小論文のプロとは限りませんから。

言葉遣いや誤字脱字のチェックだけでなく、課題文を理解した上で「出題者は何を答えさせたいのかな?」という指導ができる先生を探しましょう。

まとめ

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