出願書類を見ていると、
- 「あなたのセールスポイントを教えてください」
- 「高校時代に最も力を入れたことは何ですか?」
- 「自分の長所を、具体的なエピソードを交えて述べてください」
など、似ているようで微妙にちがう質問がたくさんあります。
今回は、こうした問い方の違いにどう対応するか、「構成」と「視点」の違いに注目して整理していきます。
自己PR=「強みからスタート」、力を入れたこと=「体験からスタート」
まず大前提として、質問のタイプは大きく2つに分かれます。
質問のタイプ | 書き出し | ゴール |
---|---|---|
自己PR・セールスポイント系 | 結論(強み)→理由づけ | 自分の“人柄”を伝える |
力を入れたこと・活動報告系 | 経験(エピソード)→学び | 取り組みの“過程と成長”を見せる |
つまり、「どこから話を始めるか」がまったく違うのです。
【パターン①】自己PR/セールスポイントを聞かれたら
この場合は、「私はこういう人間です」と自分の特徴を最初にズバッと言い切るのが基本です。
たとえば:
「私は、相手の立場を想像して先回りするのが得意です。
書道部では後輩が困っていそうな場面で声をかけるよう心がけ、…」
ここで大切なのは、「誰でも言えそうな言葉」ではなく、得意な人にしか語れないリアルな話を入れること。
エピソードはあくまで“証拠”です。
自分の強みを「本当にそうなんだな」と納得してもらうために使いましょう。
【パターン②】高校時代に力を入れたことを聞かれたら
こちらは逆に、まずはエピソードから書き始めるのが正解です。
構成としては:
① 活動の概要(何をしたか)
② 苦労や工夫、成長のプロセス(どう変化したか)
③ そこから得た学び・今後への活かし方
たとえば:
「私は野球部のマネージャーとして、試合のスコアを記録するだけでなく、相手チームの傾向を分析する『戦略メモ』を自分で作り始めました。…」
このように、“自分から工夫したこと”や“人から言われてやったのではない行動”があると、読み手の評価は上がります。
書き方を間違えると、もったいない!
よくある失敗は、こんな感じです。
- 自己PRなのに、「高校時代に力を入れたこと」の構成で書いてしまう
→ 強みがぼやけて、印象に残らない - 力を入れたことなのに、突然「私は◯◯な人間です」と始まる
→ 内容が浮いて見える
設問の問い方にちゃんと向き合い、どんな情報を求められているのかを考えることが重要です。
まとめ:「問い方」に応じて構成を変える
設問のタイプ | 書き出し | 中身で伝えるべきこと |
---|---|---|
自己PR・セールスポイント | 強みから | 強みの根拠となる具体的な経験 |
高校時代に力を入れたこと | エピソードから | 成長や工夫、学びの過程 |
- 書き出しと構成は、設問に合わせて調整しよう
- エピソードは“自分だけのリアル”を選ぼう
- 「人柄を伝える」のか、「行動を見せる」のかを意識しよう
次回はいよいよ活動報告書のまとめ編!
「この子に会ってみたい」と思わせる文章とは?大学の先生に響く自己PRの共通点を整理してお届けします!お楽しみに!