
知らないテーマが出ると、パニックになっちゃいます。

そうそう。書き出しや段落構成もどうすればいいのかわからなくなっちゃって・・・
本番で苦手なテーマが出ると、困りますよね。でも大丈夫! マイナーなテーマのときほど、出題者は問題文の中にヒントを散りばめているものです。

問題文はヒントの山
まず、こちらの問題を見てみましょう。
人口減少・少子高齢社会が本格化し、課題の複雑化と財政状況の悪化が懸念される状況下において、自治体が単独で対応することには限界が出てきている。そうした限界を克服する方法の一つとして注目されているのが、自治体が様々な目的・規模・手法において相互に協力し合う広域連携である。そこで今後、どのような政策課題について、いかなる広域連携が効果的か、あなたの考えを論じなさい。

もう無理っす。設問が長いし、難しい言葉が出てくるし。
まあまあ、パッと見ただけで諦めずに、一緒にヒントを探しましょう。

難しいキーワードには説明がついてくる
まず、この問題文のテーマとなるキーワードを見つけましょう。
すると・・・「広域連携」が目新しいワードかもしれませんね。

「広域連携」? 知らない言葉です。もう終わった・・・
いやいや、設問をよーっく読みましょう! 「広域連携とは何か」という説明がちゃんと書いてあります。
人口減少・少子高齢社会が本格化し、課題の複雑化と財政状況の悪化が懸念される状況下において、
自治体が単独で対応することには限界が出てきている。
そうした限界を克服する方法の一つとして注目されているのが、
自治体が様々な目的・規模・手法において相互に協力し合う広域連携である。
「自治体」って何でしたっけ?


都道府県とか市町村・・・的なやつですか?
そうそう! そのうち、財政が悪化して「単独で」あれこれやるのが限界になっている自治体ってどんなところ?


小さい村とか町、ですかね?
正解! ではその小さい村や町が「様々な目的・規模・手法において相互に協力し合う」ってどういうこと?


あ、わかった! 大きな市なら自前でできることを、小さな村や町はグループでやるってことですか?
そういうことです。
では、大きな市なら自前でできるけれど小さな村単独では難しい、お金のかかることって、たとえば何があるでしょう?


国家防衛とか
それは国がやることだから。さすがに千葉市も戦闘機持ってないから。
市がやっていることを考えてみるといいですね。


市がやっていること・・・水道とか、消防とか、市民病院とか?
大正解! 例として、この写真を見てみましょう。秋田県の湯沢市中心部にある消防署ですが、「湯沢消防署」ではなく「湯沢雄勝広域市町村圏組合消防本部」って書いてあります。



あ、ホントだ! この問題文で言ってた「広域連携」って、このことだったんだ。

知らない言葉が出てきても、慌てずに周りの説明を読むことが大事なんですね!
ここまでわかったら、もう書けそうです!
1時間後・・・
段落構成のヒントも問題文の中にある

うまく書けませ〜ん。なんか、内容が薄くなっちゃって。

僕もですぅ。
①広域連携は小さな村や町が協力できる便利な仕組みである。
②これからも広域連携を進めていこう。
で話が終わってしまって・・・
ハハハ! あるあるですね!
実は、段落構成についても問題文の中にヒントがあったんです。

そこで今後、
どのような政策課題について、
いかなる広域連携が効果的か、
あなたの考えを論じなさい。

もしかして、直接問われていることが2つ?
「どのような政策課題について」と「いかなる広域連携が効果的か」って。
よく気づきました!
「どのような政策課題」とは、広域連携をするべき分野や社会問題を挙げなさいという意味です。


それって、「広域連携の必要性(メリット)」と考えられますね!
そういうことです!
では「いかなる広域連携が効果的か」の部分は?


効果的じゃないこともあるから、「どうすれば効果的か」が問われるわけですね。
これは「広域連携が抱える問題点(デメリット)」だったりして?

つまり「ディベート型(メリット/デメリット/解決策)」で書くのが正解だったんですね?!
ナイス判断です。
■たとえばこの設問が「自治体の財政状況が限界であることについて」なら、誰が見ても問題なので「ディスカッション型(問題提起/原因/解決策)」の段落構成で書きます。
■でも今回は「広域連携について」。すでに始まっている取り組みについてなので、「ディベート型(メリット/デメリット/解決策)」で書くのが正解です。

段落構成については、こちらの記事を読んでください!

じゃあ、第一段落はこんな内容かな?
「今後、広域連携が必要な分野として防災と医療・福祉が挙げられる。近年、水害や震災など想定外の災害が増えており、過疎化の進む地方の村や町は単独で対処することが難しいからである。そのために消防車や救急車のほか、避難施設や病院、介護施設なども市町村の垣根を超えて設置しておくことが必要である。」
いい感じですよ!
第二段落の「広域連携で困ること」は問題文には書かれていません。自分で考える必要があります。


第二段落は、クラスや委員会での困りごとをヒントにしようかな?
「しかし、広域連携を進めるにあたって問題となることが3つある。1つ目は参加する自治体が増えるほど情報共有が難しくなること、2つ目はお互いが対等であるほど意思決定が遅くなること、そして3つ目に設備やサービスを巡って地域と地域の間で不公平感が生じることである。
よく3つ思いつきましたね!
たしかに修学旅行も班の人数が多いと予定を決めるのも一苦労です。


第三段落は、メリットを活かしてデメリットを抑えるWin-Winな解決策ですね!
「したがって、これからは防災、医療、福祉の分野を中心に広域連携を進めつつ、協力を円滑にする工夫が求められる。具体的には、まず自治体ごとに異なる情報システムを導入している場合は一元化すること、次に意思決定プロセスを明確にしルール化しておくこと、そして積極的に情報公開し住民の理解を得ることが必要である。」
完成です! よくできました!
デメリット3つに対して解決策3つをしっかり対応させていますね。これは高評価です☆
「したがって〜」と大まかな方針を示してから「具体的には」と細かい具体策を続けるのも上手い書き方ですね。

まとめ
- 知らない言葉があったら、問題文の中の説明を探す
- 問われていること=設問の指示を見落とさない

問題文って、読むのが面倒な罰ゲームみたいに思っていたけど、むしろヒントの山なんですね!

本番で知らないテーマが出ても、慌てずに「よっしゃ、ヒント探すぜ!」って思えそうです。

代々木ゼミナール講師時代、小論文を「文章表現ではなく問題解決の科目」と再定義することで合格率を倍増。総合型選抜・学校推薦型選抜の個別指導では早慶医学部を含む第一志望合格率が9割を超える。1万5千本以上の添削指導を通して受験生の「書けない心理、伝わらない原因」を知り尽くす。
そのノウハウをまとめた参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」(KADOKAWA)はシリーズ25万部超のベストセラーとなる。またNHK Eテレ「テストの花道」出演、朝日小学生新聞・朝日中高生新聞の連載などメディアでも活躍。
現在は文章スキルと問題解決の講師として大手企業の社員研修に数多く登壇。受験のみならずビジネスでも通用するメソッドであることを証明している。
東北大学大学院文学研究科修了。合同会社ロジカルライティング研究室代表。
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