
いまはAIの時代っすよ
志望理由もChatGPTに書かせちゃえば楽勝じゃないっすかww
いま世界中の教育関係者を困惑させているChatGPT。
宿題をAIにやらせることを禁止してみたり、AIで書いた文章を発見するアプリが開発されたりしていますが・・・
もし、総合型選抜・学校推薦型選抜の志望理由書をChatGPTに書かせたら、どうなるでしょう?
ちょっと実験してみました。
ChatGPTに志望理由を書かせてみた

大学の経営学部を推薦で受験します。志望理由を書いてください。

経営学部への推薦受験を志望する理由は多岐にわたります。まず、経営学の広い範囲にわたる興味と関心があります。ビジネスの基礎から戦略的な計画、マーケティング、ファイナンス、リーダーシップに至るまで、経営学部での学びが私にとって非常に魅力的だと感じています。また、将来のキャリア目標として、自らの企業を立ち上げたり、企業の発展に貢献したいと考えています。経営学部での学びが、これらの目標を達成するための基盤を提供してくれると確信しています。さらに、経営学部での学習は、コミュニケーション能力や問題解決能力など、ビジネスにおける重要なスキルを磨く機会を提供してくれます。これらのスキルは、将来のキャリアにおいて不可欠であると考えています。最後に、経営学部での学位取得は、幅広い業界での就職機会を提供してくれると期待されます。経済的な安定を築くためにも、経営学部への受験を強く希望しています。
なかなか「しっかりした文章」が出てきましたね。
一見、言葉遣いもきちんとしていて、優等生が書いたような印象です。
経営学部について、そこで学ぶ内容について詳しく調べた跡も感じられますね。
でも、実際の入試では「落ちる志望理由」なんです。
その理由を分析してみましょう。
AIの代筆では受からない理由
この志望理由、「経営学部に価値がある理由」にはなっているのですが、
「私が経営学部を選ぶ理由」にはなっていないんですね。
なぜなら、AIは世の中の経営学部についてはすでに学習していますが、
「私」については何も知らないからです。
また、将来のキャリア目標として、自らの企業を立ち上げたり、企業の発展に貢献したいと考えています。
どんな企業を立ち上げたいの?
どんなビジネスをやりたいの?
本当に起業を考えている人であれば、「こんなサービスがあったらいいな」「世の中のこんな困り事を解決したい」といったアイデアが1つ2つあるはず。
もし、このようなアイデアが何もないのに「自らの企業を立ち上げたい」と言うなら、それは起業そのものが目的という本末転倒なことになっているわけです。
「起業してみたいだけ」の人と「起業によって何かを成し遂げたい」人。本気で経営学を勉強しそうなのはどっちでしょう?
志望理由にAIをどう活用するか
しっかりしているように見えて、実は中身の薄いChatGPT。
上記のように、「叩き台」を作らせるにはいいかもしれません。
「どうせ薄っぺらなものが出てくる」という前提で、とりあえず書かせてみる。
そこから「欠けている情報」を自分で補っていく。
これが効率的ですね。
そのためにも「将来何をしたいか」という進路やアイデアは自分で考えるしかありません。
「大学・学部のことを持ち上げる」のではなく「自分の未来を語る」。
これが受かる志望理由の基本です。

代々木ゼミナール講師時代、小論文を「文章表現ではなく問題解決の科目」と再定義することで合格率を倍増。総合型選抜・学校推薦型選抜の個別指導では早慶医学部を含む第一志望合格率が9割を超える。1万5千本以上の添削指導を通して受験生の「書けない心理、伝わらない原因」を知り尽くす。
そのノウハウをまとめた参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」(KADOKAWA)はシリーズ25万部超のベストセラーとなる。またNHK Eテレ「テストの花道」出演、朝日小学生新聞・朝日中高生新聞の連載などメディアでも活躍。
現在は文章スキルと問題解決の講師として大手企業の社員研修に数多く登壇。受験のみならずビジネスでも通用するメソッドであることを証明している。
東北大学大学院文学研究科修了。合同会社ロジカルライティング研究室代表。
→プロフィールの続きを読む