「将来やりたいことから逆算して書こう」と言われても、実際にどんなふうに書き始めればいいのか、迷ってしまう人も多いと思います。
今回は、志望理由書の正しい構造=型をご紹介しながら、よくある失敗例も一緒に解説していきます。


正解の構造:「将来◯◯になりたい。そのためにこの大学で◯◯を学びたい」

これが、志望理由書の基本パターンです。
ポイントは、「将来の職業」→「大学での学び」→「大学の選択理由」という順番で話を組み立てることです。

たとえば、次のような書き方になります。

将来、発展途上国の医療支援に関わる仕事がしたいです。
そのために、公衆衛生について学べるこの学部に進学したいと考えています。
中でもこの大学は、国際医療のフィールドワークが充実している点に魅力を感じました。

このように、「やりたいこと」と「学びたいこと」がつながっていれば、説得力のある文章になります。
逆に、「大学で学びたいこと」から書き始めると、話が薄くなりがちです。


NG例①:過去のきっかけから話し始める

よくあるのが、こんなパターンです。

小さいころに◯◯を見て感動して…
中学生のときの授業で興味を持って…

これは作文としては自然な書き出しですが、志望理由書としては避けた方がよいです。
なぜなら、大学の先生が知りたいのは、**「これからどんな道に進みたいのか」**だからです。

「昔どうだったか」ではなく、「今の自分が何を考え、将来どうしたいか」を伝えるようにしましょう。


NG例②:大学をヨイショするだけの文章

次のような表現も、よく見られます。

貴学は歴史があり、充実した設備とカリキュラムを備え、素晴らしい教育環境に恵まれています…

これは、パンフレットの文章をなぞっているだけに見えてしまいます。
どの大学にも当てはまりそうな内容では、「なぜこの大学を選んだのか」という理由になりません。

志望理由書では、「この大学でなければならない理由」を、自分の言葉で書くことが大切です。


NG例③:「やりたいことがありません」と正直に書いてしまう

「まだやりたいことが見つかっていません」と書いてしまう人もいますが、それでは評価につながりません。
正直さは大事ですが、それをそのまま書いてしまうのはもったいないです。

たとえ明確な職業が決まっていなくても、「今はこの分野に興味がある」「この方向で学んでみたい」という姿勢を示しましょう。
将来の目標は変わっても構いませんが、今の自分なりの仮の目標を立てておくことが大切です。


書きやすくなる「3ステップの型」

志望理由書は、次のような3つの流れで書くと、ぐっと書きやすくなります。

  1. 将来の職業(なりたい姿)
  2. その職業に必要な知識やスキル(=大学で学ぶこと)
  3. その大学を選んだ理由(他の大学ではなく、なぜここなのか)

この順番で考えていけば、読み手にも伝わりやすく、内容に説得力が出てきます。
志望理由書は、「この大学で学ぶ必然性」を論理的に伝える文書です。
気持ちや憧れだけでなく、根拠と行動に基づいて書いていくことがポイントです。


次回は、「将来の職業をどうやって見つければいいのか?」をテーマにお届けします。
情報収集の方法や、親の意見との付き合い方についても触れていきます。お楽しみに!

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